プレイヤーズファーストって何だろう

2017年12月3日に行われた第2回プレイヤーズファーストカップを、東京新聞さんに取材してもらい記事にして頂きました。

記事の冒頭を以下に引用します。

スポーツをする子どもを一人の選手として尊重する「プレーヤーズファースト」という考え方が広がっている。目指すのは目の前の勝ち負けでなく、生涯スポーツを楽しめる人間を育てること。東京都内で今月、こうした考えに共鳴した小学生のバレーボールクラブが集まり、大会を開いた。大人の一方的な指示や怒鳴り声はなく、選手たちはのびのびと真剣なプレーを繰り広げた。

上記はネット上に掲載されたものですが、26日朝刊の紙面に載りました。グリフィンズの子供達の写真が掲載され、グリフィンズ監督のコメントも取り上げて頂きました。有難いことです。

今回のこの記事を Twitter などでシェアしたところ、いくつかコメントを頂きました。興味深かったのは、この活動をどのように広げて行くのかというもの。正直なところ、もっと色々なチームと交流を深めたいと思いつつも、大会の規模を大きくするのは難しいと感じています。

ですので、私たちの開催しているこのプレイヤーズファーストカップにご参加頂くというよりは、これを受けて「俺たちもやってみよう」とか、「うちらもやっているよ」とか、「これからやりたいんだけど、どのようにすれば良いか相談したい」とか、そういう風に広がっていってくれたらなと思います。

ところでふと思ったんですけど、「プレイヤーズファースト」って何なんでしょうね。記事では「子どもを一人の選手として尊重する」とあって、その通りだと思うんですけど、では「一人の選手として尊重する」というのは具体的にどういうことなのか。もちろん、暴力や暴言などが厳禁なのは当たり前の前提として。

現在グリフィンズには、5年生から1年生までの子供達が所属していますけど、当然のことながら、5年生と1年生では体力的にも精神的にも大きな差があります。練習内容を考える時に、一番レベルの高い子に合わせるのか、低い子に合わせるのか、その中間を狙って行くのか、毎度頭を悩ませています。レベルに合わせていくつかのグループに分けるのも、指導者の数が限られているので限界があります。

例えば、能力的にとても優れている選手が1人いたとします。その子の能力を最大限伸ばす為に、指導者が練習メニューや試合での戦術を考えたとします。そうなれば、それに付き合わされる他の選手から不満が出るかもしれませんが、その優れた1人の選手にとっては、最高の環境が与えられる訳で、その子にとってはそれが「プレイヤーズファースト」かもしれません。

例えば、チーム内で能力の高い6人にフォーカスして、集中的に強化をしたとします。それ以外の選手は一切試合に出さず、練習でもいつも球拾いです。6人に選ばれなかった選手にはとても辛い環境ですが、選ばれた6人にとっては最高の環境かもしれません。

上記のような方針は採用せず、誰も諦めない、見捨てないという方針でグリフィンズは運営されていますが、それだとチーム全体としての強化は多少停滞するな、というのは感じています。この子は能力が高いから、もっと強度の高い練習をしたいけれど、それだと周りがついてこれない。ジレンマですね。それでもそういう環境を楽しめる子なら良いのですが、もっともっと上手になりたい、高いレベルでやりたいと望む子もいるでしょう。そういう場合には、そういう環境へ移る、そういうチームへ移籍するという選択肢もあるのかもしれません。

プレイヤーズファーストカップを共催させて頂いているNESTバレーボールクラブさんとの間でも、指導の方針には開きがあります。記事にもある通り、NESTさんでは戦術の組み立てまで子供達に委ねていますが、グリフィンズではそこまで任せず、フォーメーションやサーブ順は指導者側で決めますし、試合中の対応策なども、必要であれば指導者が指示します。

それぞれのチームの、それぞれのプレイヤーズファーストがあっても良いのかもしれません。